
セタシジミって?
「セタシジミ」という種類のしじみを見たことはありますか?
関東にはほとんど出回らず、産地のある関西でも一部の場所でしか流通していない、大変貴重なしじみです。
寒さの厳しい時期にとれるセタシジミは、古くから「寒シジミ」と呼ばれ、コクがあり、身が締まって美味しいことから、特産品として珍重されてきました。
セタシジミとは
セタシジミは、滋賀県に位置する琵琶湖水系固有のしじみです。
宇治川、淀川といった京都を流れる水域にもみられますが、もともとは、琵琶湖から瀬田川にかけての水域に多く生息していたことから、その名がつけられました。
12~4月頃に旬を迎え、深さ10~20mくらいの水域の砂地を好むセタシジミを、掻剥漁業と呼ばれる方法で水底から掻き起こし、水揚げします。
そうして水揚げされたセタシジミは、琵琶湖周辺では「しじみ豆(しじみと大豆を煮たもの)」などの伝統料理として親しまれています。
セタシジミの特徴
セタシジミは、一般的に食卓に並ぶことの多い「ヤマトシジミ」とは違う特徴を持っています。
なぜなら、しじみは生息する環境の影響を大きく受けるからです。
貝殻も、生息する土壌によって色に違いが見られますが、泥地で穫れるヤマトシジミは、黒いものが多くみられます。
一方、砂地で穫れるセタシジミの色は美しいべっ甲色をしているため、「べっ甲シジミ」の異名をとります。
また、セタシジミの大きな特徴の一つである貝殻の厚みや、左右非対称でいびつな扇形をしている形も、水の流れや塩分濃度の影響を受けていると考えられています。
味は、海水の交じる水域に住むヤマトシジミと比べると、淡水域に住むセタシジミは旨味がやや薄く、出汁が出にくいといわれています。
漁獲量の減少
かつてセタシジミは、琵琶湖全体の漁獲量の半分以上を占め、琵琶湖の漁業を支える重要な水産物でした。
しかしながら、昭和30年代前半には6000トンもの漁獲量を誇ったセタシジミも、年々その数を減らし続け、今や年に数十トン~200トンほど穫れるのみとなっています。
セタシジミ漁の復興を願う人々
滋賀県では、セタシジミの放流技術開発を行ったり、環境改善活動を行う人たちを支援して、再び琵琶湖でセタシジミ漁が盛んになるよう努めています。
県による取り決めでは、15mm以下の大きさの稚貝は獲ってはいけないことになっています。
しかし、漁師たちは自らその基準を18mmに引き上げました。
さらに、5~7月の産卵期を禁漁にするなどして、県と漁業関係者が一体となって、セタシジミの保護に取り組んでいるのです。
(引用元)
セタシジミって?
http://www.mariahpower.com/post58.html